2007年 気まぐれ読書
 番号 月日   題 名               作    者   発行者
  年度
    寸評
 1   1/16 風魔(上下)                宮本昌孝
祥伝社
平成18年3月
弟より借りる
・豊臣秀吉から徳川家康の時代、仕官への誘いを辞し古河公方氏姫と暮らす「風魔の頭領・風間小太郎」は家康のとって最大の脅威であった。
・戦国時代の武将の名前が多く出てきてなつかしく感じますが頭が混乱するかも・・・。
・上下、各各500ページの大作ですが紙面を風のように滑って読むことが出来深みのない本でした。時代がこのような本を要求しているのでしょうか?。
・波乱万丈、神出鬼没のシーン連続でまるで「マンガ」を読んでいるようでした。
・小太郎の子供が「山田長政」かも?・・・作者。
2 1/27 川の深さは 福井晴敏
講談社文庫
2005年7月
I氏より借りる
・第43回江戸川乱歩賞の最終候補に残った応募作品を加筆訂正した小説。
・「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで追っ手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりえを見た元警察官は彼を匿い底なしの川に引き込まれていく。
・暴力団、警察機構、ヘリコプター、拳銃等の十二分の克明な描写に舌を巻きました。
・その分、男女関係の微妙な表現が不足している感じでした。
・桃山と涼子の将来を見たいものです。
3 2/2 ナイチンゲールの沈黙 海堂 尊
・宝島社
・2006年10月
・古本市場
・大学付属病院が舞台、殺人事件を追う不定愁訴外来の田口と厚生労働省の白鳥のコンビ。
・小児科病棟に勤務する看護士・浜田小夜、担当は眼球に発生する網膜芽腫の子供達、眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心痛めた彼女は・・・。
・医学用語が飛び交う会話に別世界を感じながらも病院長、教授、看護士、患者の各々の心情がリアルで面白くアッと言う間に読みきりました。
・お茶漬けの様に軽く読み流せる本でした。
4 2/20 闇をつかむ男 トマス・H・クック

・文春文庫
・1997年11月
・図書館
・この作者の他の本を探しに図書館へ行ったがなかったので仕方なく読み進みましたが思ってたより以上楽しめました。
・犯罪ノンフィクション作家キンリーにもたされたののは故郷の親友である保安官変死の報。遺体なき少女暴行事件ー遺された捜査の跡をたどる記憶の奥底に浮かんだのは・・・山奥の谷間にひっそりと建つ蔦の絡まれた廃屋だった。
・クックの長編小説として9冊目にあたる。
・古い公判記録や新聞記事、生存者の証言等50年前に起きた不可解な事件の真相が薄皮を1枚ずつ剥がしていくように事件の核心に迫る叙述、さりげなく張られた伏線はミステリー小説の醍醐味。
5 3/11 獣たちの庭園 ジェフリー・ディーヴァー
・文春文庫
・2005年5月
・図書館
・1936年、オリンピック開催に沸くベルリン。ナチス高官暗殺の指名を帯びた殺し屋が一人、ニューヨークから潜入、暗殺を果たし、無事国外逃亡ができるのか?
・ナチス、ヒットラー総統、高官が実名で登場し歴史とノンフィクションが入り混じった面白い小説で後味も良くページを閉じられました。
・映画「カサブランカ」のラストシーンを思わせるのが気にはなりましたが。
・この作者は好みの一人です。
6 3/24 ラビリンス ケイト・モス
・ソフトバンク
クリエイティブ
・2006年9月
・図書館
・フランスの南部カルカソンヌが舞台。・歴史・聖杯伝説・ミステリー・ロマンス・ファンタジーの愛読者には必読。
・2005年7月。発掘作業に携わったアリス、洞窟で骸骨を発見し、壁に迷路の模様を見つける。1209年7月若き人妻アレースは父親から迷路の模様が刻まれた指輪にまつわる秘密を明かされる。800年の時を越え、幾多の人々を狂わせる「ラビリンスの謎」。同じ運命に結ばれた二人に女性の物語。
・カルカソンヌ、シャルトルの町の風景が目の前に浮かびフランス旅行での記憶が甦って来てなつかしくページを繰りました。
・女性作家による逞しい女性が主人公のベストセラー。
7 3/29 さよならを告げた夜 マイクル・コリータ
・早川書房
・2006年8月
・図書館
・探偵事務所の経営者が殺され美しい妻と6歳の娘が行方不明。彼の父親からの捜査依頼を引き受けた元警官の探偵リンカーン・ペリーと相棒のジョンが行動を起こす。。
・作者は昨年、インディアナ大学を卒業した若い作家で高校時代から新聞社、探偵事務所に働いて、その経験を活かしてこの作品を書いたと言う。
・若干21歳とは思えない文書と構成力は話題になったとか?
・読者後はスカッとして美人妻とはメデタシになならないのが現代風。活字の中にのめりこんでアッという間に表紙を閉じました。
8 4/5 クライム・マシン ジャック・リッチー

・昌文社
・2005年9月
・図書館
・作者はアメリカ人、1950年代から80年代にかけて「ヒッチコック・マガジン」「マンハント」等の雑誌に350編もの短編ミステリのスパシャリスト。
・奇想天外なストーリーが巧みな話術で展開していく「クライム・マシン」、「エミリーはいない」ではアメリカ探偵作家最優秀短編賞を受賞。
・軽いタッチとひねりのきいた短編を量産した器用な職人作家で可能なかぎりシンプルに書く事にこだわり奇妙な設定も素晴らしく途中でニヤリは何度でも・・・。
・長編を読んで見たくなりました。
9 4/12 10ドルだって大金だ ジャック・リッチー
・河出書房新社
・2006年10月
・図書館
・上記。「クライム・マシーン」が面白かったので図書館で書棚を探していたらありました。
迷わず借りました。
10 4/16 ヴェルサイユの影 クリステル・モーラン
・早川書房
・2007年2月
・図書館
・世界遺産のヴェルサイユ宮殿、女性の連続殺人事件が発生、ボーモン警視は宮殿職員の尋問を開始するが第3、第4の死体が・・・。
・パリ警視庁賞受賞の力作でヴェルサイユ宮殿の歴史、雰囲気が細かく描写され一度訪れた事があるので楽しく読めました。
・捜査中の事件の関係先で若い女性と仲良くなり過ぎるのはお国か?と訳者あとがき。
11 5/2 西遊記(上) 平岩弓枝
・毎日新聞社
・2007年3月
・弟より借りる
・天竺に取経に向かう三蔵法師を守るため、悟空が「きんと雲」を飛ばし八戒が熊手をふりかざし、悟浄が半月槍を構えるおなじみの物語を新解釈で描いてあります。
・悩み、苦しみ、成長していく師匠と弟子たちは何度読んでも面白く今、ハヤリの「ハリーポッター」「パイレーツ・オブ・カリビアン」に通じる
夢と冒険小説の古典。
・随所にことわざが出てくるのも楽しく今さらながら勉強になりました。
12 5/14 善意の殺人 リチャード・ハル
・原書房
・2006年8月
・図書館
・いやみな嫌われ者の富豪が列車の中で、かぎ煙草に仕込まれていた毒で殺された。
・数々の証言によって「被告」の前で明らかにされていく事実、はたして「被告」は犯人なのか?
・わざとあいまいな表現や間接的な表現をちりばめられた長い文章にとまどいを隠せませんでした。
・真犯人が誰だったのかいまだに不明。
13 5/20 まんまこと 畠中 恵
・文藝春秋
・2007年4月
・弟より借りる
・やんちゃ二人に堅物ひとり、江戸は神田で活躍するふうわり心温まるオハナシ。
・玄関で揉め事を裁定する町名主の息子として生まれた麻之助、これがたいそうなお気軽もので、周囲は気がもめるのだが・・・。
・江戸時代、22歳の仲間達が、ささいな「もめごと」を解決する為にアレヤコレの知恵を絞って事にあたる様子がやさしい言葉で語られ胸の奥底で共鳴します。
・昔も、今も20歳代にはもう付いていけませんが・・・。
14 6/5 訴追 D・W・バッファ
・文春文庫
・2001年7月
・図書館
・やり手検事が妻殺しで起訴された。特別検察官を引き受けた主人公は、どんな被告をも無罪にしてきた敏腕弁護士の立場から一転、有罪を勝ちとるべく奔走する。
・そして評決の朝、第二の殺人が発覚、・・・。
・1冊の本で2件の事件が連続して起こり、頭がコンガラリ・・・それに登場人物の姓名の長い事、しょっちゅう表紙の裏の「主な登場人物表」と見くらべました。
・犯人がわかったようなわからないような?
・胸にジンときた部分もありました。
15 6/9 一応の推理 広川 純
・文藝春秋
・2006年6月
・図書館
・2006年で第13回松本清張賞受賞。
・定年前の保険調査員が自殺か?事故か?の真相を追いかけ、真実にせまり無事解決の心温まるオハナシ。
・現場が東海道線「膳所駅」で大阪、京都が舞台であるため風景を想像しながら読めたので、主人公になりきりました。
・孫が難病で借金がある人物の人間関係を調査し自らの送別会まで犠牲にしてまで仕事に入れ込む調査員、機械設備相手の仕事だった私には???の部分もありましたが・・・。
・読後は気分爽快。
16 風の影(上・下) カルロス・ルイス・サフォン

・図書館
・2006年7月
・集英社文庫
・1945年スペイン・バルセロナ、ダニエル少年は「忘れられた本の墓場」で出合った「風の影」に深く感動する。
・その作者の隠された謎の探求は愛と憎悪に満ちた物語りの中で少年の精神を成長させる。
・文学、読書愛好家には必読の小説でバルセロナの風景が脳裏に浮かんできました。
・この時期、夢中になれて暑さも忘れますが読後は熱くなります?。
17 7/24 銀座開化事件帖 松井今朝子
・図書館
・2005年2月
・新潮社
・今年、「吉原手引草」で直木賞受賞の松井今朝子さんの本。
・京都出身との事で早速図書館に走ったが受賞作品はなかったのでこの本を読みました。
・明治7年、30歳の久保田宗八郎、当時「蝦夷地」呼ばれた北海道に渡り4年ぶり東京に舞い戻って、世捨て人同然に身を隠す身。
・そんな彼の周辺で起こる事件を解決する様子がコナレタ文章で書き切ってあります。
・「顔に表情のないのは心にも表情がない」とか
こんな言葉がアチコチ。
・安心にて読み通せる小説でした。
18 7/30 12番目のカード ジェフリー・ディーヴァー
・図書館
・2006年9月
・文藝春秋
・ハーレムの高校に通う少女が博物館で調べものをしている最中に男の襲われるが機転を利かせて難を逃れる。
・単純なレイプ事件と思い捜査を始めたライムとサックスたちだったが・・・。
・「140年もの」の証拠物件を最先端の科学捜査技術を駆使し解明する事ができるか?
・作者の目線は弱者に向けられ読後、心穏やかになる小説。
・読書好きな少女の愛読書の羅列も面白く興味が湧いてきます。
19 8/1 パライゾの寺 坂東真砂子
・図書館
・2007年6月
・文藝春秋
・民俗学者、宮本常一の諸作品、高知の佐川町の昔話、越知町史、郷土史、その他新聞に記載された事件に触発されて書かれた作品。
・土佐山間の村に住む一介の貧しい男女の声、英雄や権力の支配者として歴史に名を残すことのない者たちの、力強さ、逞しさ、おかしく悲しく胸に響き抜けます。
・「お接待」の話では四国八十八ヶ所巡礼の男に「身体でお接待」する女が出てきたり・・・暑さも吹っ飛ぶ事うけあい。
20 8/7 仲蔵狂乱 松井今朝子
・図書館
・1998年3月
・講談社
・「人の人生、何ほどのこともない」と初代中村仲蔵、寛政二年「享年55歳」で死んだときのセリフ。
・みなし児、声も悪い子供が下積みの修行から初代中村仲蔵に成長するまでの過程を・歌舞伎社会の裏、表から描写した小説。
・昔も今もこの社会は「御贔屓」さんがいなくては成り立たない、複雑な上下の人間関係、とはなんと!前時代的な世界ですネ。
・役者も武士も「盛りの内」が花とか。
21 8/15 覚悟の人 佐藤雅美
・図書館
・2007年3月
・岩波書店
・鎖国から開国、尊王攘夷から倒幕へいたる激動の時代、徳川慶喜のもとにあって信念に殉じ、使命を全うするために孤軍奮闘した幕臣の姿を描く「小栗上野介忠順伝」。
・坂本竜馬、西郷隆盛、勝海舟、近藤勇が華々しく活躍した時代、経済や財政という異質のものに真っ向から取り組んだのが主人公で今の時代であれば大蔵大臣か日銀総裁か?
・「逃げない」「逃げるような卑怯なまねはしない」」してはならない」そういう覚悟のある生き方をした人。なかなかマネはできません。
・享年42歳で斬首された。
22 8/21 薔薇の名前(上) ウンベルト・エーコ
・図書館
・1990年1月
・東京創元社
・フランチェスコ会修道士「ウィリアム」、ベネディクト会見習修道士、ウィリアムの弟子「アドソ」のコンビがメルクの修道院での殺人事件の犯人捜査の依頼を受ける。
・博学「ウィリアム」の鋭い推理、キリスト教各派の軋轢、修道内の連続殺人事件の発生、「アドソ」と村娘の恋物語がからんで「下巻」へ。
・「アドソ」の思春期から成人への過程の物語。
・人間の成長の陰にはそれなりの人物が必要です。
23 8/30 薔薇の名前(下) ・図書館
・1990年1月
・東京創元社
・「過ぎにし薔薇はただ名前のみ、虚しきその名が今に残れり」小説最終の文章。
・中世、オドロオドロする修道院内、迷宮の文書館、殺人事件の犯人を追い詰めた二人、炎上する修道院を後に旅たちます。
・暑さも忘れるほど夢中に読みふけりましたが再度、映画「薔薇の名前」・主演ショーン・コネリーを見たい。
24 9/5 ザ・ポエット(上、下) マイクル・コナリー
・図書館
・1997年10月
・扶桑社ミステリー
・デンヴァー市警殺人課の刑事ショーン・マカヴォイが変死、自殺とされた死に疑問の双子の弟ジャックが最近全米各所で同様に殺人課の刑事が変死している事をつき止める。
・遺書には決まってエドガ-・アラン・ポォの詩の一節が残されていた。
・前半、わずかな手がかりを求めて友人、警察を渡り歩く主人公に同化してアメリカ中をうろつき時間のたつのを忘れました。
・魅力的な女性FBI捜査官とメーク・ラブも付録で、捜査班の主要人物が犯人とはミステリーファンとしては、だまされたようで許せない。
25 9/19 ブラック・アイス マイクル・コナリー
・図書館
・1994年5月
・扶桑社ミステリー
・モーテルで発見された麻薬課刑事ムーアの死体。殺人課のボッシュはなぜか捜査から外され内部監査課が出動した。
・新しい麻薬「ブラック・アイス」をめぐる麻薬組織の対立の構図を知ったボッシュは麻薬王と対決すべくメキシコへ。
・街娼であった母が路地で絞殺され、孤児院、軍隊、ロス市警と否応なく組織社会の中に身を置く主人公が「世の中の有意義な存在」を掴もうともがく姿が熱い。
・クリントン元大統領も愛読者だったとか?
・大人の愛もからむハードボイル小説。
26 10/11 ナイト・ホークス マイクル・コナリー

・図館
・1992年10月
・扶桑社ミステリー
・刑事ハリー・ボッシュシリーズの第1作品。
・殺害された被害者がヴェトナム戦争時の同僚であったことから背景を探り始める。
・犯人が元ヴェトナム戦争時の関係者で今の上司であったというドンデンガエシには抵抗があるが・・・。
・この作品の中で大きな役割を果たしているエドワード・ホッパーの代表作「夜ふかしをする人」(ナイトーホークス)の絵はシカゴ美術館に所蔵とか。見たいものです。
27 10/23 吉原手引草 松井今朝子
・古本市場
・2007年3月
・幻冬舎
・第137回「直木賞受賞」作品。
・「遊女の誠と玉子の四角」はないといわれた吉原、全盛を誇る花魁「葛城」が忽然と姿を消した。何が起こったのか?
・事件に興味をもった若い男が花魁に関係のあった人間に次々と話を聞いて回り真相にたどりつく。
・人間関係の基本は、だれかれ関係なく誠を尽くす事。・・・「何とかは?人の為ならず」とも言います。
・最後の最後に「葛城」の決意と悲しみが明らかに。
28 10/31 この町の誰かが ヒラリー・ウォー
・図書館
・1999年9月
・創元推理文庫
・NWAグランドマスター賞受賞第一作。
・賞を受賞した作家の作品には弱くどうしても読みたい気持ちが優先します。(どんな賞か詳細は不明でも?)
・どこでもありそうな平和で平凡な町。一人の少女がレイプ後に殺されたとき、この町の知れれざる素顔があらわになる。
・被害者の関係者からの供述の羅列から小説は構成されているがその中に手がかりが潜んでいるのが、はたして・・・?
・ドキュメンタリータッチの最後の最後に真相究明で落着。
・緻密な構成、登場人物の個性、男女のよる分析の違い、人間の裏側にひそむ怖さが良く描写されていました。




29 11/5 闇の底 薬丸 岳
・図書館
・2006年9月
・講談社
・幼い妹が陵辱された主人公、犯人を憎みつつ警察官から刑事になる。
・担当した事件が幼児、連続、誘拐、殺人事件で妹の事件とのかかわりが事件の裏に見え隠れして・・・。
・犯人との微妙な関係のまま、殺人現場に赴くが、それは「完全犯罪への道」だった。
・最簿の1ページはまさに「闇の底」へ一直線。
・警察組織対犯人の知恵比べ、ノックアウトで犯人の勝利。
30 11/30 非道、
行ずべからず
松井今朝子
・I氏より借用
・2005年4月
・集英社文庫
・江戸、中村座が炎上、焼け跡から謎の変死体が見つかる。
・北町同心達が事件を追うが次次と殺人が発生・・・。
・劇場主、名跡問題、反目しあう兄弟、劇作者、帳元の芸に生きる男達の修羅地獄を描く長編ミステリー。
・ラスト、見てみぬふりをし、犯人の自殺を見過ごす同心の心情に共感。
・この世界を詳細に知りえた作者ならではの小説。
31 12/17 天使と罪の町
(上・下)
マイクル・コナリー
・講談社文庫
・2006年8月
・図書館
・私立探偵ボッシュとFBI捜査官レイチェルは連続殺人犯を追う。
・ラスヴェガス、ネヴァタ洲の売春街、そしてロサンジェルス、追っ手をあざ笑うかのように捜査を撹乱する犯人、用意周到に計画された企みを見抜けるか?
・レイモンド・チャンドラーへの作者の傾倒もある現代ハードボイルドの第一人者が描く壮大なサスペンスであるが別居している子供とのたまの時間を過ごす様子がほほえましい。
・犯人逮捕のラストがアッケないのが残念。
32 12/26 警告
パトリシャ・コーンウエル
・講談社文庫
・2006年12月
・図書館
・リッチモンド港で降ろされたコンテナーから、腐乱死体が発見され、遺体に付着した奇妙な金色の毛。箱には「よい旅を、狼男」とフランス語で記されて、インターポールへの問い合わせが必要な密航者の事件だった。
・検死官シリーズ、待望の第10弾で最高作の呼び声高いが・・・。
・ラスト「狼男」逮捕の幕切れはアッケないがヒロインの人間関係の様々な悩みが縦糸、横糸に交差し、知らぬ間にページを繰っていました。
・気軽に楽しめる小説。
33 12/30 口は災い リース・ボウエン
・講談社文庫
・2007年6月
・図書館
・2002年、アガサ賞最優秀長編賞受賞作品で女性作家による23歳の女性がヒロインの小説。
・お金は無いが好奇心と教養、弁が立つのが自慢のアイルランド出身のモリー、かくまってくれた女性の子供達をニューヨークへ連れて行くことになるが入国前のエリス島で殺人事件に出くわし孤軍奮闘の様子が面白い。
・モリーのバイタリティ、勇気、知恵、行動力には脱帽、1900年頃のニューヨークの雰囲気も身近に味わえます。